【noteエッセイ】ときめきを探しにいく

写真を撮るのが苦手だ。

心が動く瞬間を残したいと思うのに、うまくシャッターを切れない。

私の思考と感性は、何かにときめいたとき、写真ではなく、言葉でどう表現するかという方向に振り向けられているようなのだ。

素敵な写真を撮っているお友達が、

「文章と写真のペアを探すのが楽しい」

と言っていた。

それでは私も、ときめきを感じたものを書きとめるため、探しに出かけてみようと思う。

日差しがぽかぽかと気持ちのよい昼下がり。

普段は車で行くスーパーマーケットまで、歩いてゆく。

川面がきらきらしている。

宝石みたいにまぶしい。

花壇の花が、ちょこんと咲いていた。

チューリップと水仙も、元気そうだ。春の花は、カラフルで可愛い。

空は雲ひとつない、柔らかな青。

青空と芝に、桜色が映える。

ぷっくりした葉っぱ。みずみずしくて、赤ちゃんのようだ。

心が動いたものに、カメラを向けながら歩いてみる。

どうやら私は、人工の造形物や人々の営みよりも、自然物にときめくらしい。

色は、ネオンカラーよりも、パステルカラーやビタミンカラーが好き。

虹の7色に入っている色彩の組み合わせは、心惹かれるものが多い。

こうしてシャッターを切れたということは、ちゃんと意識すれば、写真でもときめきを残すことができるのかもしれない。

言葉の扱いに慣れているから、無意識にそちらに行きやすい、というだけで。

帰り道は、牛乳の重さと卵の危うさを抱えて、歩くのに必死だった。

スーパーマーケットの買い出しは、やはり徒歩で行くものではない。

今度は、ときめきを探すためだけに、散歩に出かけることにしよう。

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