その問いを目にして、思わず、こう思ってしまった。
「あなたはなぜ文章を書かないのですか?」
逆に聞いてみたいくらいには、書くことが好きだから。
確かに、書かなくても生きてはいける。
でも、私にとって「書く」は、人生に存在していてほしいものなのだ。
水を得た魚のように、書き始めると呼吸が楽になる。
こうして公開の場で書くことは、私にとってはコミュニケーションである。
じゃあ、人に読まれないと書けないか? というと、そうでもなく。
インターネットが普及する前の時代には、公募用の作品を、こつこつと書きためていた。
このnoteも、読まれる前提で始めたSNSではなく、作品を残しておく場所が、大学ノートからこちらに変わっただけ。
けれど、日記や手帳は、なぜか長続きしなかった。
自分のためだけに書くのは、楽しくないみたいだ。
私はいつも、「書く」の向こう側を見ていたのだと思う。
それが、誰かの手に届くかもしれない希望。
それが、未来をつくるかもしれない実感。
書いた言葉の先、世界がわずかに変わるような気配。
私の書いた言葉が手を離れて、
そっと世界に散らばってゆく感覚が、たまらなく好きなのだ。
私にとって、文章は、今の自分のためだけにあるものじゃない。
だからこそ、誰にでも届けられる形に整えて、
いつでも渡せるように、やさしく置いておきたい。
私はいつでも、今より少しだけ先へ、手を伸ばしたくて書いている。
#ハッピーライティングマラソン
#本田健
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