家族で共同生活を送るために、親子間での約束事というのがあります。
種々多様に。
「夕飯いらないときは連絡してね」とか、
「時間までに起きられないのだったら、明日から夜更かしはやめてね」とか。
わが家では、生活のリズムに関することが多いかな。
なんでもかんでも子どもに合わせるのがしんどいので、
自分が楽をするために、線引きさせてもらっています。
でも、フェアじゃない約束って、あったよなあ…と思って。
たとえば、うちは学校に行けない子どもたちで、五月雨登校の時期があったんですけれども。
今日は行くのか行かないのか、何時に行くのか、
朝のうちに、親が学校に連絡をする決まりになっていたんですね。
で、家にいる日は、手伝いをしたり自主学習をしたりしていたのだけれど、
子どもとしては「家にいるときは、好きなことをしてのんびり休みたい」と。
なので私は、
「わかった、お休みの日は自由に過ごしていい。
代わりに、連絡しなきゃならない時間までに、今日どうするかを決めて。
でなければ、今までどおりにする」
って言ったんです。
ぱぱっと起きて決める日もあれば、口を固く結んで、行くとも休むとも言わない日もあるから。
毎日毎日「今日はどうするのかな?」っていう会話を、くり返すのがしんどくて。
でもね。
「時間までにどうするのか決めて」までは良しとしても、
「できなかったら○○」っていう条件がつくのって、家族間ではフェアじゃないな。
って、あるとき思ったんです。
それが嫌なら約束を守ってよ、という強制力の根っこにあるのは、
「私が自分の負担を減らしたい」だから。
私だって、そんなふうに約束させられたくない。
もしも親から「寝坊したら、明日から夜の読書は禁止ね」
(これで親は朝イライラと起こさなくてすむ)
とか言われたら、泣いてた!
この場合、寝坊して困るのは私自身だし、
たとえ寝坊しても、リカバリーできれば問題ない。
…そう考えると、わが子も同じで。
未来を人質にして、今を何とかさせようとする約束は、
そもそも約束じゃなくて、押しつけだし。
子ども自身の課題に、親が土足で踏み込んでいる。
親が子どもに対して、提案する権利はあっても、許可を与えたり強制したりする権利はない。
だから、フェアじゃない約束事はやめよう、って決めたのです。
今でも、つい口をついて出てしまうことがあるんだけれど。
気づいて、謝って、訂正して…をくり返しながら、
母、子どもたちのおかげで、少しずつ成長しています。
