ある編集者の主観(小寺智子)

「編集者」と「主観」に惹かれ、ふらりと手にした一冊です。

表紙のシンプルな世界観も、よいですねえ。
白くて艶のある紙かと思いきや、ざらりとしたかすかな凹凸があります。

見返しには、

言葉に純度を、
心に強度を

の文言が。

そして、赤いページを挟んで、黒地に金文字のタイトルページ。
この黒地は、カバーの白と同じ質感です。

で、白いカバーを外すと、つやつやの黒い表紙が出てくるという…。
心の襞のすきまに入りこんでゆくような、本のつくりが、好き。

感情をすべて、並列にする。

「私には幸せが似合う」

やわらかに、しなやかに、ぱきっと言い切る文章たち。
気持ちよく読めました。

「主観」だから。
そういう前提で読むから、この本から何かの答えを探そうなんて思っていなくて、
ただただ「このひとは、どんなひとなんだろう」って読んでいく。

日常会話で、じっくりと誰かの人生観を聞くことって、ないとは言わないけれど、機会が少ない。
本だと、深いところまで向きあえるので、よい対話になりますよね。

主観って、人生とともに変化していきます。
だから、こんなふうに書き残すのは、おもしろそうだなあと思います。
数年後に読み返したら、いまの自分とまったく違っていて、びっくりするんだろうな。
そんな未来も含めての、主観を楽しむひとときでした。

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