帯に「作家生活25周年」と書かれていて、もうそんなになるのかと驚きました。
でも確かに、デビュー作を読んだとき、私は高校生ぐらいだったものなあ…。
熱狂的なファンというわけでもないのに、定期的に読み続けてしまう魅力と、重ねた歳月に思いを馳せながら、乙一ワールドを堪能です!
ちょっぴり哀しくて、ユーモラスで、ぞっとして、おもしろい。
乙一さんの怖い類の短編は、文章や表現はちっとも難解ではないのに味わい深く、底なし沼のようにどっぷり沈み続ける感じがします。
短編だから、現実に帰ってこられるのだけれど。
これで長編だったら、浸かりすぎて溶かされてしまいそうな濃度です。
この中で私が好みだったのは、「そしてクマになる」「悠川さんは写りたい」でした!