立山連峰を臨む、富山県のとある一軒家を舞台にした児童文学です。
現代に生きる千尋、私より少し上の世代の桐子やさつき、母親世代の律、祖母世代のハル。
大きな栗の木とお地蔵さんがある家で育まれ、連綿と続いていく、それぞれが少女だった頃の物語が綴られていきます。
時代は違っても、少女らしさに変わりはないのですね。
あたり前なのだけれど、誰しも子どもだった時代があること。
その歴史が積み重なって、自分の血となり流れていること。
ご先祖様や家族と繋がり、見守られているのを感じることができます。
中学生になり、照れも反発も生まれてくる年頃の女の子にも、その温かさは伝わるのではないでしょうか。
作中では、富山弁がそのまま台詞に使われていました。
学生時代、富山出身の友達がしゃべっていた言葉そのものです。
懐かしいなあ。
本を開いたひととき、私も少女に戻ってきました。