我が子の学校の先生には、毎日細やかにお世話になっています。
でも、いつも忙しそうだし、やっぱり大変なんだろうな。
同郷で、年代も近い先生が書いた本ということで、興味深く読みました。
一言で表すと、「先生ってすごいな」ですね。
一般企業から見たら、ブラック以外の何物でもない量と質の仕事を、「子どものためなら…」という善意で行い。
それでも、やりがいを持って向き合ってくださる姿勢には、頭が下がります。
生徒の登校時刻や、部活動の開始時刻は、先生の本来の勤務時間外であること、初めて知りました。
どれだけ早出残業しても、お給料が変わるわけではないことも。
そんな働き方を「あたり前」として、ずっと子どもに携わっていることも。
学校は、自分が卒業してしまうと、中身がわからない場所です。
きちんとした先生が「当然の姿」なので、たまにニュースに上る不祥事が、大きく感じられたり。
全体として、職業意識が低下していると決めつけてしまったり。
私自身、社会人になってからしばらくは、学校の実情も知らないままに批判的でした。
それが変わったのは、地元の教育委員会で、臨時職員として勤めてからです。
そこの事務局には、市町村の職員と、「指導主事」と呼ばれる教員が働いていました。
教員向け研修会の準備、苦情の対応、各学校への出張、授業の研究会など、それはそれは忙しそうで。
臨時職員や、市町村職員が退庁していく中、いつも夜遅くまで残っていたのを覚えています。
本当にいい先生ばかりで、雑用を頼むのも申し訳なさそうに丁寧に、話しかけてくれました。
「教師っていいよ」「大変でも、子どもたちのためだと思うとね」
世間話の中で、そういった言葉を聞いて、「ああ、こんな先生たちがいるなら、学校は大丈夫だ」と感動しました。
実際に、我が子たちが入学してからは、私の義務教育時代よりも手厚く、ひとりひとりに合わせて見ていただいています。
「近頃の教師は…」「最近の学校は…」という話を聞くことがあっても、目の前の先生に信頼を感じている限り、むやみに批判に引っ張られることはなくなりました。
本書でも語られていますが、本当に先生たちは頑張ってくれていて、すごいことだな、と思います。
また、苦労だけを記すばかりではなく、教育界が抱える課題、学校や教師自身の実態と改善の余地、仕事への思いややりがいなど、内容は多岐にわたります。
見えない学校と教師の実情を、社会と共有できるように繋げる1冊でした。
私も、地域の大人として、保護者として、自分のできることを支援していきたいです。