図書館の有川浩さんコーナーも、制覇が近づいてきました(笑)。
読んでいて、こちらまでイライラするほどの「お役所仕事」だった掛水が、どんどん格好よくなっていくのは、実に痛快です。
お仕事小説としても楽しめるし、有川浩さんの恋愛成分もしっかり盛り込まれているのですが。
巻末対談にもあったように、「地方観光について勉強できる」内容なのが、すごいです。
勉強しようと思ったら、資料を読まなきゃいけないとか専門知識を覚えなきゃいけないとか、いろいろハードルが高い。
けど、物語としてそれを読んだら、「あ、こういうことなのか」と勉強するつもりもなしに分かる。
あくまでも面白いお話として読んでもらったうえで、現実に生かしていただける情報や気づきを入れこみたいなというのは、小説を書く時に常に思っていることなんです。
言われてみれば、「図書館戦争」にしても、そうですね。
ぱっと思いつく限り、「明日の子供たち」も、「レインツリーの国」も、「植物図鑑」も。
知らなかった世界を知り、理解し、興味を持てる小説でした。
「県庁おもてなし課」では、掛水がたどり着いた「おもてなしマインド」が、すっと心に入ってきて、おもしろかったなあ。
私が住んでいる場所も、「自然はあるけれど、自然しかない」ような地方なので、こんなふうに町おこしができたら、楽しいだろうなと思います。
レジャーランド全国提携。テーマパーク日本全国。
観光業にまったく携わっていない私でさえ、そんなふうになったら…と、想像するだけでわくわくします!