いよいよ本命『マリアビートル』です!
#一気に読みたくて
#久しぶりに夜ふかしの極み!
【マリアビートル(伊坂幸太郎)】
『グラスホッパー』のおかげで、物語のスピードには慣れたので、安心して乗り込みました。
今回の舞台の新幹線も相まって、疾走するリズム感は、最高です。
だけど、こんなに速く進んでいるのに、錯綜する思惑に、どこまでも追われているような。
私にとっては非日常の、狡猾な悪意が、どろりと迫ってくるような。
だからこそ「狡猾な悪意」が綻ぶ瞬間は、爽快でもあり。
物語のハイスピードと、心理描写のスローモーションのバランスが、癖になりそう。
読み応えも抜群で、途中かなり物語が展開したと思ったのだけれど、
本の厚みを眺めると、まだ半分はあって、びっくりしました。
伊坂さんが綴った言葉を借りると、まさに、
“一対一の勝負のバイキング”料理に向き合っているよう。
私は物語を“頬張り、噛み潰し、呑み込み”
“消化する”のに挑んでいる。
“諦めるつもりはない”。
“生きるためにたくさん読まないと”。
まさかの“生きてるみたいに生きる”読書体験を、することになりましたw
前作でも感じた、この読み応えは、
伏線の細やかさと、回収の鮮やかさが、すごく効いているからかな。
疾走する物語を、読者は追う。
伏線が回収されるところで「あっ、これは確かあそこで見た…!」って、
その仕込みがあまりに精巧で、もう一度確かめたくなって、ページを戻ってしまうんです。
『グラスホッパー』を知らなくても、内容がわからないことはありませんが、
やっぱり読んでおいてよかったです。
前作に関わる人物や描写が出てくるたび、ニヤニヤできて楽しすぎました!
おもしろかった!
おすすめしていただかなかったら、出会えなかった本だと思うので、ご縁に感謝です。