息子が持ち帰ってきた、家庭科の作品。
めちゃくちゃ可愛い。

はじめてのなみ縫い、はじめての玉結び。
難しかったんだろうな。いっしょうけんめい、やったんだろうな。
ガタゴトと音が聞こえてきそうな、ダイナミックな縫い目と、
ぴょろりんと飛び出した、結び目の先っちょ。
本人は、気に入っていないらしい。
うまくできなかったと言う。
わかる。わたしにも覚えがある。
はじめてフェルトを縫い合わせて作った、小物入れ。
ほんとうは、もっときれいにできるはずだったのに。
頭のなかに描いたものと、実際にできあがったものとは、
雲泥どころじゃない差があって、お世辞にも実用的とは言えなくて。
好きな色を、いっしょうけんめい選んだだけに、悲しかったなあ。
昔のわたしにとっては、ただの失敗作だったのと同じように、
息子にとっても、そうなのだろうけれども。
息子が作った、というだけで、
いまのわたしには、このうえもなく可愛い。
とぼけた魚の表情も、不揃いな縫い目も、
大きくダマになっている結び目も、中綿が飛び出しそうなのも、
なんて愛おしく、尊い。
息子が「いらない」というので、わたしが嬉しそうに飾っている。
寿命を全うしたときは、ぜひ一緒に、棺桶に入れてほしい。
そのぐらいには、気に入っている。可愛い。