長男の学期末の個人懇談で、先生からこんなものを受け取りました。
中央には、息子の名前。
周りには、「友達のいいところを」ということで、クラスの子たちが長男に向けて書いてくれた、彼の長所が、ずらりと並んでいます。
見た瞬間、じいんとしてしまいました。
SNSではないオフラインの世界で、およそ30人もの人に認められ、ほめられることって、なかなかないんじゃないかなあ。
書くのが苦手な息子も、ちゃんとクラス全員分を書いたんだなあ。
教室にはちゃんと、我が子の居場所があるんだなあ。
いろんな思いが、ぶわっとあふれます。
親としては嬉しい限りだけれど、子どもはどうなんだろう。
長男は「足が速いってたくさん書いてある」と、喜んでいましたが。
クラスにあまりなじまず、すみっこにいた私だったら…。
先生から課題を示されたときに、まず、いたたまれない気持ちになりますね。
「ネクラで運動音痴な私のいいところなんか、みんな思いつくはずがない。せいぜい、本読んでるガリ勉ぐらいだろうなあ」
クラスでの立ち位置が明らかになるから、周りからの評価が怖くてたまらないと思います。
こんな課題を出す先生を恨みながら、クラスメートの長所をひねり出しているでしょう。
――けれど、もしも。
何かひとつでも、自分では思ってもみなかったいいところを、誰かが書いてくれたなら。
少しだけ、自信が持てたかもしれません。
「このクラスに、いてもいいんだ」と。
クラスの一員なんだ、居場所があるんだ、と。
実際に、授業の課題で堂々と悪口を書くような生徒は、いなかっただろうし。
「お世辞だろうな」「苦しまぎれに書いたんだろうな」と感じる内容だったとしても。
何かひとつでも、心を震わせてくれる言葉が出てきて、自己肯定感が高まる可能性もあります。
全員分を書くことで、苦手な相手の長所にも目を向けるから、他者肯定もできる。
そう考えていくと、息子にとってもクラスにとっても、自分に置き換えて想像してみても、プラスになりそうなので。
素敵な授業をする先生なんだな、と笑みがこぼれました。