長女の登校しぶりの始まりは、4年と9ヶ月ほど前のことでした。
私も不登校初心者だったので、悩んだり怒ったり、うろたえたり落ち込んだり、手探りで必死に、ひとつずつ対応していったものです。
それまでは、不登校に関する情報を、積極的に取り入れたことはありませんでした。
娘と向き合ってきた期間も、具体的な対応を学ぶより、自分の生き方を省みて、価値観を再構築し、母親をやり直すほうが先決でした。
今、長男の不登校にも向き合うようになって、ようやく情報を吸収する余裕が生まれたんです。
で、その類の本を、初めて買ってみました。
育児書にしても、片づけ本にしてもそうでしたが、自分が実際に経験しないと、ただの知識にしかなっていなくて。
体験があるからこそ、どう活かすかという知恵にしていけるんだなあ、と思います。
そんなことを実感しながら読んでいたら、ちょうど私が入っているオンラインサロン「セトちゃんのエンタメ挑戦記」で、同じお話をされていたので、首がもげるほどうなずきました(笑)。
共通項を探る
どちらも読みやすい本でした。
「子どもが学校に行きたくないと言ったら読む本」では、特に登校をしぶり始めた初期の対応を、詳しく知ることができます。
「登校しぶり・不登校の子に親ができること」には、長期的なサポートの流れが、段階を追ってわかりやすく図解されています。
2冊に共通する内容も多く、サポート方針としての大きな流れは、現代はこうなっているんだという感覚をつかめます。
どちらにも書かれていて印象的だったことが、2つありました。
1つ目が、「行きたくない原因を探しすぎない」こと。
登校しぶりの原因は「きっかけ」にすぎないことが多く、その場合はそこを追求しても根本解決にはたどり着けません。
「原因探し」もほどほどにして、今は、とにかく子どもたちが元気になれるようなことをするようおすすめします。
「きっかけ」が「休み続ける理由」とは限らない
登校を妨げる要因に対応していくことは大切ですが、「原因探し」にこだわりすぎるのは控えたいところです。
なんとなく行けないままでいるのなら、子どもが走り始めるエネルギーを満たし、心の回復力を促すことを考えていきましょう。
親や先生は、学校に行ってほしいので、目の前の問題解決に囚われがちです。
その都度対応していくことは、もちろん大切ですが、それが解決したからもう大丈夫! ではないのだと、覚えておきたいものです。
2つ目が、「親自身のつらさや悩みにきちんと対処する」こと。
私も「まず自分を大切にする」を、実際にやってみたからこそわかるのですが。
自分を大事に扱えないと子どもを所有物のように扱ってしまうし、自分に余裕がないと子どもへの対応幅が狭くなります。
自身が「いいところも嫌なところもいろいろあるけれど、そんな私でもまあいいか」と思えなければ、子どもの今のありのままを、心から受け入れることはできません。
我が家は、親子ともにたくさんの支えをいただいているので、ありがたいなあと思います。
子どもの心の土台がどれだけできているか
「学校に行きたくないと言ったら」にあった項目です。
心の土台とは、下から順に、
- “人間のよさ”体験
- 心のエネルギー
- 社会的能力
が積み上がっていくそうです。
明橋大二さんの「子育ては、自己肯定感・しつけ・勉強の順番。下が不安定だと、上にいくら積んでも崩れてしまう」という言葉を思い出しました。
で、書かれていたチェックテストをやってみたところ、
- 私…子離れスタンバイ型
- 長女(中2)…自立スタンバイ型
- 長男(小4)…自立スタンバイ型(幼さ持続型に近い位置)
- 次男(年長)…幼さ持続型(自立スタンバイ型に近い位置)
となったので、親も子も年齢相応に成長できているのかなという印象です。
登校できる4つの条件
実のところ、学校が楽しいばかりの場所でないことは、私も実体験としてわかっています。
けれど、多くの子どもは休まずに登校している。
“「行きたくない」を逆からひもとくと、4つの条件のいずれか、あるいは複数が欠けている可能性がある”という考え方は、興味深かったです。
- 登校規範…「学校は行かなくてはいけない場所だ」と教えられている
- プラスの学校体験…学校に行くと楽しいことがある、誰かに会える、楽しいことがありそうだという予感がある
- 心のエネルギーの充足…安心感(落ち着いて過ごせる、または見守られている)・楽しい体験(人と楽しく過ごせる、または何かに自分が打ち込んで達成した)・認められる体験(周りからほめられる、または感謝される)
- 社会的能力の獲得…自分の気持ちを伝える力・自分をコントロールする力・状況を正しく判断する力・問題を解決する力・人とうまくやっていく力・人を思いやる力
こうして分けて考えてみると、どの部分を重点的にサポートするとよいのかが、明確になりますね。
また、今の自分に言い聞かせようと思った言葉も、それぞれに見つけました。
どの不登校にも有効な方法はない
「無理解な口出し」は上手にかわしていこう
こうして学ぶ余裕ができたのも、自分を大切にできるようになったのも、全部娘のおかげなんです。
子育てに向き合えるようになったのは、子どもたちがいてくれるからです。
そのままで、今ここにいてくれるだけで、「ありがとう」と「大好き」は、何があっても忘れないように。
この気持ちが根っこにないと、どんな方法をどれだけ試しても、伝わらないから。
じっくりと読み比べて、考えて。
充実した読書時間になりました。