息子が言うには、私は名づけのセンスがないらしい。
わが家にはたくさんのぬいぐるみがいて、みんながそれぞれ、わが子たちに名前をつけている。
私が一緒に寝ている、すみっコぐらしたちの名前は「だいこん」「おもち」「おにぎり」。
昔暮らしていた、大きなくまのぬいぐるみは「くま野くま五郎」。
子どもの頃の友達だった、やはりくまのぬいぐるみは「くま野くま太」。
そのテイストのまま、子どもたちのぬいぐるみを、勝手に「たこ助」だの「うさぴょん」だのと呼んでは、怒られている。
だって、覚えられないのだ。
ひとつひとつ由来を聞けばうなずけるものの、単純に連想できなくて難しいのと、数が多いのとで、母の頭は常にパンクしている。
たくさんいる恐竜に「キングティラノ」「かみつきティラノ」「王者ティラノ」だの、
「ロングスピノ」「ロングラプトル」「ロングティラノ」だの、
似た名前の大洪水にするのは、どうかやめていただきたい。
一郎・二郎・三郎とか、花子・太郎とか、母が記憶できるのは、そういう類であるからして。
というと、息子たちは「やだよ」と邪険に却下するのだけれど。
でもね。君たちの名前を考えたのは、お母さんなんだよ。
選んだのはお父さんだけれど、候補を出したのはお母さん。
そこのセンスだけは、誇らせていただいてもよろしいでしょうかね?
君たちに、とてもよく似合っていると思うからさ。