その日、私の思いと、息子の思いとが、どうしても合わなかった。
どちらも譲れないまま、折衷案も見つからないまま、私は息子を学校へ送った。
しかたがない。とはいえ、これでよかったのかと、逡巡する帰り道。
川の中で、ぴしゃりと魚が跳ねた。
夏めいてきた日差しを受けて、鱗も水面も、きらきらと光っている。
体をくの字にして跳ね上がった姿は、決してまっすぐでも、楽そうでもないけれど、エネルギーに満ちている。
実に元気だ。
思春期を迎えようとしている、息子と同じだ。
悩み多き年頃であっても、ひねくれているように見えても、しっかり育っている。
君が元気なら、母は嬉しい。