お皿ひとつ、夫婦のかたち。

昔の話をしましょう。

わたし、離婚歴があります。
旦那さまは初婚でした。

で、彼に対して、負い目があったんです。
わたし自身は、自分にまっすぐに、その道を選んできたつもりでいたけれど。
それまでの紆余曲折、周りからほんとうにいろんな言葉を投げかけられましたし。

夫婦のあいだに、自分で勝手に、上下関係を作っちゃって。
自分に非があるように感じていると、おそろしく卑屈になる。
旦那さまは、ひとこともわたしを責めてはいないのに。

当時わたしがやっていて、いま考えると意味がわからない行動ランキング。
第一位は「食卓で旦那さまを動かさない」でしたねえ(笑)。

食事を作り、食卓に並べ、食器を下げるまで。
全部わたしがやらなきゃいけない、夫を立てる姿勢を見せなきゃいけない。
だって、彼は私と結婚してくれたのだもの。
なんだか知らないけど、そう思い込んでいた、若かりし日のわたし。

ある日、お義父さんが、こう言ってくれたんですよね。
「息子があなたを選んだんだから、初婚とか再婚とか関係なく、対等なんだ。言いたいことは言えばいいんだ」
って。

その言葉で、はっと目が覚めた…なんて、ドラマティックに変化したわけではないのだけれど。
お義父さんへの信頼と感謝が、どっと湧いたのを覚えています。
ずっと、わたしの片隅に、大切においていた出来事。

このあいだ、ふと旦那さまが、
「そういえば、結婚したときは、いつも食器下げてくれてたよね」
と思い出したように言っていて。

「そうだねー、昔はそうしなきゃならないって思ってたからねえ。
いまは違うよね。自分のことは自分で、って子どもにも言ってるしねえ」
あはは、と笑って、めいめいが自分のお皿を、キッチンまで運んだのでした。

ひとは変わるし、関係も変わる。
どうせなら、よりよくなりたいよねえ、と思います。
すくなくとも、こじれた卑屈さは、いらないな。

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