ガラスの仮面(美内すずえ)

不朽の名作です!

名作なんですが、実は今まで、通して読んだことがありませんでした。

友達に借りては一部分読み、病院の待合室で見かけては一部分読み…と、ところどころ抜け落ちている上に、順序もばらばら。

それでも、ひと繋がりの物語として理解できるあたりが、すごいなあと思うのですが。

ここらで一度、きちんと読みたい! ということで…

図書館にあった、文庫版26巻分、6日間かけて読破しました。

北島マヤになる

昔読んだときは、やっぱり主人公サイドが好きだったし、北島マヤ派でしたが。

歳を重ねてから改めて読むと、姫川亜弓、かっこいい!

中でも、吸血鬼カーミラのエピソードが、個人的には痺れます。

たぶん、大人になって、自分は天才ではないとわかった今だから。

亜弓さんの努力の凄みや、生き様の気高さが、より深く伝わってくるのではないかな、と感じます。

1週間近く、どっぷりと浸ったので、読み終えてからも、なかなか現実に戻りきれませんでした。

――何だか、舞台から降りても、役が抜けきらないマヤみたいだ。

その瞬間、気がついたのです。

物語を読むとき、私は「北島マヤ」になっているのだということに。

物語の中では、私は登場人物のひとりになっていることもあるし、全体を俯瞰する場所に立っていることも、空間そのものになっていることもあります。

世界に深く入り込んでいるので、物語の残滓をふり払い、現実に帰ってくるのは、大変なエネルギーが必要です。

そんなものだと思っていましたが、これは、マヤがお芝居の人物や世界にはまり込むのと、似ている気がして。

だとしたら、マヤに演劇の才能があったのと同じように、私にも「読書の才能」があるのかもしれない。

もしそうなら、私はきっと、他の人よりも深く、物語を感じて生きられるはずです。

何て楽しくて、素敵で、幸せなことなんだろう!

考えただけで、わくわくしてきました。

次は、何を読もうかな!

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