日頃から、子育て支援を受けている側として、タイトルに惹かれました。
作者名に見覚えがあると思ったら、この方ですね!
2005年に出版された本なので、社会情勢はまた変わっているのでしょうが、子育て支援の基本理念は同じだと感じました。
「子育て支援は、親支援」と言い切る著者は、こう考えます。
子育てには苦労も絶えませんが、幼い命が成長していく過程を実感できる喜びは何ものにも代えがたいものがあります。
文化を伝え、未来の社会を託すという大切な使命もあります。
人間らしい大切な営みであり、社会の人々が力も心もあわせて、子どもの育ちを見守ることが、子育て支援の基本なのです。
現代に子育てしている私は、「3歳児神話」や「母は育児、父は仕事」、「母性愛の絶対性」などを疑いなく信じている世代ではありません。
女性の生き方の変化や、ライフスタイルの多様化なども、それなりに体感しているはずです。
それでもなお、読んでいて、まだまだ固定観念にとらわれていたんだな、とため息をついてしまいました。
「今どきの親は…」というような感情を持つこともあるし、「母親がやらなくては」と無意識に思い込んでいることもあると、気づかされます。
「子育て支援」の基本
お互いに信頼関係を作っていくこと。
カウンセリング・マインドで寄り添うこと。
そうして子育てする人々の声に丹念に耳を傾け、問題をすくい上げ、社会全体で解決していくこと。
そこは、ぶれてはいけない部分なのだと思います。
子育て支援に限らず、どんな集団でもビジネスでも、大切な礎。
支援を受ける側としても、それを次の世代に返していく立場としても、「子育て支援」の基本を外さないよう、自分を見つめる力を持ちたいものです。
「あい・ぽーと」で行っている取り組みで、私が素敵だなと思ったのは、こちら。
- 子連れで遊びにくる親子を対象として、さまざまなレベルの悩みを自然なかたちですくい上げるようなシステムの充実
- 若い親世代と中高年世代との交流
- スタッフの呼び方は「○○先生」ではなく「○○さん」
- 子育て講座は子どもを一時保育に預けて親だけで参加、参加者は「ママ」「お母さん」などではなく名前で呼ぶ
- 理由を問わず預かる一時保育
- 地域の育児力を高める「子育て・家族支援者養成講座」の開講と、修了者への活動場所提供・相談支援
特に、子どもの手が離れつつあり、これからの自身を考える時期としては、「お母さん」ではなく名前で呼ばれる居場所の大事さは痛感するところですし。
育児がブランクではなく、経験として活かせる社会復帰の形の養成講座も、受けてみたい。
何にせよ、子どもに関わる生き方がしたかった私にとって、「子育て支援」は興味深い分野ですね。
ちょっと、これからの人生設計に、組み込んでみよう!