「本を処方する」という、切り口がおもしろいですね!
書評というのか、本の紹介というのか…いや、やっぱり「処方」か(笑)。
見るからに文才を感じるタイプの文章とはちょっと違って、軽妙な語り口で、さらっと「これ、どう?」って差し出してくれる友人のような親しみがありました。
受け手のハードルも低くなるので、「じゃあ、ちょっと読んでみようかな」と、読書欲が高まる1冊。
こんなに気安いのに、それぞれの本に対する愛と知識がないと書けない内容だから、すごいなあと思います。
まだ読んだことのない本も多かったので、タイトルと作者名をメモしておきました。
今度は、図書館に行こうっと。
「ガラスの仮面」の処方の中に、
世の中には二種類の本がある。
エネルギーをくれる本と、知識をくれる本。
という一節があって、著者は、
「この分類でいうならば、エネルギーをくれるる本は元気がないときに読むべきで、知識をくれる本は元気があるときに読むべきではないか?」
と考えます。
聞いて「なるほど、確かに」と納得したのと同時に、自分もそうだと気がつきました。
そのときの体や心の状態で、私に「エネルギーをくれる本」と「知識をくれる本」とを、無意識に選び分けている。
「必要なときに必要なものに出会う」のは運のよさだと感じていたけれど、「今の自分に必要な本を選びとる」というのは、実はけっこうすごい能力なんじゃないかな?
次は、どんな本と出会えるだろう。
これからの読書も、楽しみです!