【noteエッセイ】育ての天才

病院の待合室に、生後5ヶ月ぐらいの赤ちゃんを連れた、若いお母さんが座っていた。

赤ちゃんの脇を抱き上げ、膝の上で、足をぴょこぴょこと突っ張るようにジャンプさせて遊んでいる。

赤ちゃんは、お母さんと目線を合わせて、きゃっきゃと笑う。

見ているこちらも、幸せしかない。

ちょうど、首がすわり体つきがしっかりしてきて、抱き上げやすくなる頃。

表情が出てきて、あやすとニコニコと、ときには声を出して笑う。

腰はまだすわらないのだけれど、足の力はずいぶん強くなる。

私がかつてやっていたのと同じように、顔をつきあわせて笑う親子を目にするたびに、なんだか嬉しくなる。

この「おひざでぴょこぴょこ」は、人間のDNAに組み込まれているのかと思うほど、たくさんの親御さんがしているのを見る。

もしかしたら、普遍的な赤ちゃんとのコミュニケーションなのかもしれない。

調べてみたら、赤ちゃんにとっても健康な発育を示す動きであったり、

それを利用したジャンパルーという赤ちゃん用の遊具もあったりで、本当に人間としての遺伝子レベルの動きなのかと驚いた。

私はそんなことはまったく知らずに、わが子をぴょこぴょこさせて、笑いあって遊んでいた。

親は、生まれながらにして親ではないので、たくさん失敗しながら、子どもに育ててもらってきたけれど。

こうして親が、自然と「おひざでぴょこぴょこ」したくなるような動きと表情を見せる赤ちゃんは、実に親育ての天才だと思うのである。

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