【noteエッセイ】人生の不具合

私は「病院にかかるほどではない人生の不具合」を、いくつか持っている。

恐怖症や軽いパニック障害のような状態、潔癖症ぎみなところ、小さく積み上がるこだわり、ときおり訪れる軽度の過食嘔吐など…。

実際に病院で相談したこともあるけれど、特に治療の必要はないですね、と言われる程度の不具合だ。

それでも、不具合には違いないので、ときには生きづらいこともある。

どうして私はこんななのだろう、と罪悪感に苛まれることもある。

人間として、グレーゾーンに生きている。

わが家の子どもたちも、発達障害のグレーゾーンと言われてきた。

必要に応じてサポートを受けられる環境を整えてはいるが、やはり生きづらさは抱えている。

どうやら世界のほとんどは、何かしらの不具合を抱えた人で構成されているようだ。

真っ白や真っ黒な人もいるのだろうけれど、圧倒的にグレーが多いように感じる。

何の問題もなさそうに見えるあの人も、あたり前に笑っているあの人も、

誰もが自分の持っている不具合を、ぎゅっと押し込めたり、覆ってぼやかしたり、

社会で生きてゆくために、試行錯誤している。

その個々の努力は、まず尊い。

もう少しだけ緩やかに、グレーがグレーのままでも生きやすい社会だと、なおいい。

ふんわりと優しく、不具合を包み込むような世界は、素敵だなと思うのだ。

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