…そんなタイトルの作文を、高校生の頃、国語の授業で書いたような記憶があります。
そのときは、何となくしか感覚がわからなくて、実家の目の前に広がる、田園風景のことを書いたのですが。
大人になり、地元を離れた今、田んぼを見ると妙に落ち着く自分がいます。
植えたばかりの苗が並ぶ田んぼに、水が張られるこの時期は、風でさざ波のように揺れる水面が、綺麗なんですよね。
緑が伸びると、草原のようだし。
お米が実り、金色に染まる秋は、ナウシカのラストシーンと重ねて眺めるのが素敵。
稲刈りが終わったあとは、枯れた株をパキパキと踏んで歩くのが、楽しい!
子どもの頃は、あたり前だと思っていた風景が、自分の中に根づいている。
ここまで歳を重ねて、ようやく「原風景」というものが、実感としてわかったように思います。
実家の向かいの田んぼ一帯が、来年には、団地になるそうです。
ずいぶん景観が変わるのだろうな、と、一抹の寂しさがよぎりました。
けれど、たぶん、私は覚えているのだと思います。
走り回った土の感触、草が生い茂る秘密の小島、田んぼの中に立って見た夕日。
いつでも、自分の中にある。
これがきっと、原風景なんですね。