『言語論』のキイロブックストアさんから、電子書籍が発売されました。
テーマはずばり「みそしる」。

といっても、一般的なレシピ本とは、ちょっと違います。
編集工学の視点から、みそしるという料理を分解し、解説しているのが、
キイロブックストアさんならではのコンテンツ。
私は「編集工学」という視点を、キイロブックストアさんの『言語論』で知りました。
編集工学とは、この世に存在する膨大な情報と知識を組み合わせて、新しい意味や方法を生み出す技術なのです。
そう聞くと、難しそうに感じるかな。
ところが、このみそしるの本を開いてみれば、
ごくごくシンプルな基礎知識、具材やだしの組み合わせ方を楽しむ方法が書かれています。
私たちが日々、あたりまえにみそしるを作るとき、すでに編集工学の視点がある、ということですね。
素材という膨大な情報を組み合わせて、多種多様なみそしるが出来上がるわけですから。
みそしるを「編集」することで、どんな意味や方法が生まれているのか。
私なりに考えてみました。
まず、料理に応用が効くようになるな、と。
食材だけでなく、季節や体調、自分の好みに合わせて、カスタマイズできるようになります。
基本と応用を行き来する練習になりそうですね。
それから、選ぶ体験もできます。
具材やだしを、みそや吸い口を組み合わせるとき、
「今の私は、何が食べたい? 私の体には、何が必要?」と、感じながら選ぶことができる。
おいしさ、心地よさの基準を育てるのに、とてもよい。
さらに、みそしるは地域によっても個性があるので、編集する段階でのコミュニケーションが生まれそう。
「みそしるに、何入れる?」という何気ない会話には、知識を共有できることと、各地ならではの違いが楽しめること、両方が含まれています。
素晴らしい構造です。
そんな会話の中で、自分がよく飲んだみそしるの味、それにまつわる家族の思い出などがよみがえる。
膨大な味のアーカイブが存在します。それこそ、人の数だけ。
こうして考えてみると、みそしるという小さな器の中で、
私たちは、体験を編集しているのだな、と思うのです。
そして、この編集工学の視点は、料理以外にもいろいろな場面で役立つ、
生きるのに必要な力であるとも思います。
そのときどきの条件に合わせて、組み立て直しができる力です。
巻末には、視点のヒントが掲載されていて、こちらも興味深いです。
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