駆け出す背中

いいお天気だったので、保育園からの帰り道、ぐるりと海まで回りました。

風も穏やかで、空気がほんのり暖かく。

海の中には、サーファーが何人も浮かんでいます。

砂浜では、海鳥たちが羽休め。

自転車を降りたとたん、海に向かってまっすぐに続く防波堤の上を、次男は走り出しました。

確か、この前までは、手を繋いで岸壁まで歩いていたのに…。

タタタッと、体重を感じさせない足どりで、走っていきます。

そのまま海に突っ込んでいきそうな勢いに、思わず「ストップだよー!」と声をかけました。

「うわー! きれいだねえ!」

ぎりぎりで立ち止まり、くるりとふり返った次男。

そこにはもう、おっかなびっくり海に近づいていた面影はなく、たくましいお兄ちゃんの表情が見られました。

「そうだね、綺麗だねえ」

2人でしばらく、海を眺めたあと、次男が先に踵を返しました。

「お母さん、早く! 行くよー!」

そうして再び、軽やかに駆けていきます。

ああ、またひとつ、気がつかない間に大きくなっていた。

小さな背中を、昔よりも早足で、追いかけました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする