反抗期乗り切りマニュアル(諸富祥彦)

思わず手に取ってしまった(笑)。

私は、マニュアル化しすぎて応用がきかないことも多いと自覚しているので、ためらいながら開いたのですが…。

思春期の子どもは、変です。

言ってみれば、みんなある意味「病気」にかかっているようなものです。

「変」なのが「普通」です。

という文章で、始まりました。

――これ、いいやつだ! 私の好きな匂いだわ!

まず、この時期のお子さんを「理解しよう」「理解できる」なんて思わないようにしましょう。
思春期のお子さんとわかり合おうなんてこと自体、しょせんは無理な話なのだと親は覚悟を決める必要があるのです。
「じゃあ、無視すればいいのですか」「とことんやり合ってもいいのね」と言われると、それはちょっと違います。
ひと言で言うと思春期の親には、「自分は親としてプロである」自覚が必要になります。
「プロである」という自覚をもって冷静になり、一歩引いて、ドーンと構えていてほしいのです。

(中略)

思春期というのは、人間の一生の中でも「特別におかしな時期」なのです。ここは大きく構えて見守るしかありません。
そう構えて見守っておくと、いつの間にか反抗的な行動の多くはしずまっていくものです。
一方、子どもの反抗的な態度に対等になってやり合う親がいます。
思春期の大変な行動の多くは、「子どもと対等にやり合ってしまう親」との関係の中でつくり出されてきます。
そう、子どもの問題の半分以上は「知らず知らずのうちに親がつくり出している」のです。

もう、この冒頭だけで、すべてが解決してしまうかのような。

「親としてプロである」って、素敵な考え方だと思います。

右も左もわからない中で妊娠・出産して、事前情報通りにはいかないことだらけの育児生活、いつでも初めてのことばかり。

…だけど、そんな私でも、お母さん歴13年になったんです。

このご時世、ひとつの仕事を10年以上続けたら、いくらポンコツでも、それなりのものですよ。

思わず感情的になりそうなときだって、「これは仕事だ! 私はプロだ!」という意識で、踏ん張れることもあります。

私は、我が子たちの母親のプロです。

今までは「理解しよう」「寄り添おう」と、本格的な反抗期に向けて気を張っていましたが、ようやくドーンと心構えができた感じ。

冒頭以降は、反抗期を4つのタイプ+特別な事情のあるケースに分け、それぞれの激しさの度合い別に、具体例が載っています。

その数、実に53個。どれも身に覚えがあったり、話に聞いたりするような、身近な風景の事例でした。

自分がこうなったら…とイメージしながら読みやすくて、よかったです。

また、「乗り切りマニュアル」として挙げられている25のポイントも、最後にまとまった索引になっていて、実用的。

どれも子育ての基本で、聞いたことのある内容なのですが、実際のケースに当てはめてみると、その難しさと大切さを痛感します。

そんな中で、23番の「子どもの思春期こそ、親は家にいてほしい!」という項目だけは、初耳でした。

3才児神話はよく聞きますが、思春期の子どもの難しさを知るカウンセラーの多くが、

「子どもの心が不安定になって子育てがいちばん難しくなるのは、子どもが10~15才くらいの時期。

その時期には、子どもが学校から帰ってくる時間に家にいてあげることができればいいな」

と感じているそうです。

もちろん、過干渉にならない前提で、ですが。

末っ子が10歳ぐらいになったら、本格的にフルタイムの仕事かな…と、ただ何となくイメージしていたライフスタイルも、きちんと子どもたちを見ながら考えていきたいな、と思いました。

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