一ノ瀬ユウナが浮いている(乙一)

こちらの姉妹作だそうです。

嬉しくて切なくて、激しくて儚くて…ああ、恋だなあ。

すっかり見守る側の目線で、楽しみました。

主人公は2度も、ユウナとの突然の別れを味わっているわけですが。

生きている彼は、やがて大人になります。

それだけの時が流れて、思いを口に出せるようになったし、自身の意志で3度目の別れを選択できる。

じんわりと目頭が熱くなる、ラストシーンでした。

よくよく考えたら、死んだ後の恋愛模様って、おもしろい設定ですね。

あのときの言葉が、このエピソードがここに繋がるのか…! という物語の展開も粋ですし。

コロナ禍の現代からちょっぴり先の未来を、明るく迎えられそうな読後感も素敵でした。

「きみにしか聞こえない」もそうなのですが、押しつけがましくなく自然に「私も生きていこう」と思える感じが好きです。

久しぶりの乙一ワールドを、しっかり堪能しました!

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