文章推しの私にとって、ときめきが詰まっている1冊。
【10代からの文章レッスン(小沼理)】

タイトルにあるように、文章を書くための本です。
10代向けなので、難しい内容はひとつもありません。
文章術について書かれている箇所もあるのですが、
それよりも、実際に文章を仕事にしている人たちが、
「どうやって書いてるの?」の、視点や価値観が見えるのが、すごく楽しい!
しかも十人十色に。
文章に技巧を凝らすための本ではなく、文章の流儀に触れる本でした。
読むのと書くのが大好きな私は、
「そうそう、そうなんだよ!!」と、首がもげるほどにうなずき。
ぴたりとくる表現を見つける喜びや、闇を手探るしかない停滞感や、
思いがけない交流の生まれる楽しさなど、全部をひっくるめて、
“文章を書く快感”に、激しく共感したのです。
中でも、文筆家・僕のマリ さんと、
エッセイスト・古賀及子(こがちかこ)さんは、特に。
「え、私のことですか? 私の人生、見てましたか?」
っていうぐらいに、書くことへの感性が好きな方々でした。
ほかにも、わくわくするポイントが、たくさんあるのですよ。
書くことの本なのに、“書かない”に触れている方が、一定数いること。
安易な言語化による“言語隠蔽”は、身に覚えのあるところ。
伝わること、つながることの話。
“感じられることができる範囲”を広げて、豊かに書くこと。
書き手と読み手の共同作業の話。
詩における、普通の文章とは異なる、独自の秩序という視点。
どれも、読んでいて心が躍ります。
生み出された作品ではなく、作家さんの自伝でもなく、技巧書でもなく。
純粋に“文章を書く”を、ただただ語ってくれる、ときめきの宝箱です。
こういうことを語り合えるひとたちが、この世にいるというだけで、
私は幸せになれます…!!