今日の空を、覚えていますか?

私が、心の余裕度を測っている方法のひとつは、
「今日の空を、思い出せるかどうか」
です。

朝いちばんに、窓を開けたとき。
出勤中、ふと空を見上げたとき。
「おかえり」と、子どもを玄関で迎えたとき。
一日のうち、どこかで必ず、今日の空を見ているはず。

だけど、思い出せない。というのは、
何か別のことを考えていたり、ほかにやることがあって気を取られていたりで、
私の心に、余裕がなかった日なのです。
目に映っているはずの空が、まったく意識に残らないほどに。

私が文章を書くときは、五感を使っているので、
何気ない風景にどれだけ心が動いたか、それを記憶に残せたかで、言葉の色彩が変わってきます。

なんでもないことを、心にとどめておくために、
余裕のあることが、すごく大事なんです。

今日は、白と灰色の小さな雲が重なりあって、ぷかぷかと浮かんでいました。
ちょうど白い部分が体で、灰色が耳のトイプードルみたいで、可愛らしい雲でした。

出かける前の空だったのですが、用事をすませて帰る30分後には、
雲のトイプードルは、もう空には跡形もない。
覚えていなかったら、二度と出会えないのです。

今日は、記憶に残して思い出せたから、よい一日だったな。

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