濃縮よもやま話

SNSに流れてくる「まとめサイト」を、ときどき見ます。

ちょっとした空き時間に、何か活字がほしいのだけれど、本を開く余裕がないときなど。

感動する話や笑える話、名言や子育てや動物エピソードなど、関連記事で次々に出てくるので便利です。

ただ、まとめサイトを読み終えたあと、私の中に残るものがないことに気がつきました。

ひとつひとつのエピソードは、おもしろかったり涙したり感心したり…読んでいる最中は、確かに感情が動いているんです。

でも、ページを閉じてしまうと、本のように余韻に浸ることがなく、文字を追い続けた疲労感だけが残っていて。

どうやら、短いエピソードを短時間で大量に取り入れるので、私には濃度が高すぎるようでした。

そういえば、同じ紙の本でも、ぎゅっと中身の詰まった名言集は、やはり疲れます。

その類なら、詩集のように、たっぷりの余白の中に選び抜かれた言葉が置かれているものが好みです。

noteのエッセイは、だらだらと読んでいてもそこまで疲れないので、言葉やエピソードがある程度選び抜かれている表現媒体なのでしょう。

とはいえ、紙の本から匂い立つ余白や、確実に訪れる最後のページの感慨には、やはり敵わない。

言葉は、濃縮ではなく、厳選が好き。

物語には、余白と終わりがあるのがいい。

自分の嗜好がまたひとつ、明らかになりました。

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