「お母さん、これ買いたい」
買い物先で長男が手にしていたのは、ヘアゴムでした。
え、何? 女の子のものだけど、知らないのかな? もしかして髪の毛結びたい?
真意と用途がわからなくて戸惑う私。
とりあえず、遠慮がちに「これ女の子用みたいだけど、いいの?」と訊ねると、
「うん。ぬいぐるみのリボンにする」
と答えるではありませんか。
なるほど、そういう使い方があったか…。
確かに、ぴったりサイズでした。
ブラッキーとサンダース、可愛いな!
先入観の枠を外したら
私はヘアゴムを見たら、女の子が髪の毛に使うものだな、と考えます。
普段から髪を結んでいて、ときどき手首で袖口を留めたり、コードを束ねたりと、流用はしますが。
最初から別の用途が浮かぶことは、まずありません。
でも長男は、素直に「ぬいぐるみにつけたら似合うだろうな」と考えたんですよね。
柔軟な発想にすっかり感心するとともに、先入観の強さを思い知りました。
「思い込みや先入観にとらわれずに」とは、よく聞く言葉だけれど。
日常生活の、ふとした瞬間ですら、すっかり思い込みで生きている。
長男を見ていると、先入観の枠を外した向こう側には、まったく違う世界が広がっているような気がします。