【noteエッセイ】小さな本屋さん

noteは、小さな本屋さんのようだ、と思っている。

書店好きな方には共感していただけることが多いのだけれど、本屋さんに行く目的は、目当ての本を買うだけではない。

じっくりと時間をかけて、店内を回遊するのが、至福のひとときなのである。

書店員さんのお薦め本や、ベストセラー、お店独特の特集コーナー。

整然と並ぶ書棚から、ふと目に止まった一冊を抜き出して、ぱらぱらとめくる。

そのまま読んだり、買うために抱えたり、また優しく棚に入れたり。

自分ひとりでは絶対に手をつけないであろう分野や、限りなく遠くにあっただろう一冊とのめぐりあいが、本屋さんの醍醐味なのである。

けれど悲しいかな、いつでもたっぷりと時間をかけて、本屋さんを楽しめるとは限らない。

書店には出向けない、本を開く余裕がない…そんなちょっとしたすきま時間に、私はnoteの記事を読んでいる。

書き手もジャンルも多岐にわたり、常に更新され続けるので、ラストページのない本のようなものだ。

読むのに力のいるもの、いらないものを選びやすいため、気軽に楽しめる。

はっとさせられたり、思いがけない素敵な言葉に出会ったりするのも、いい。

ときには、まったく未体験のジャンルも眺めてみる。

書籍ほど敷居が高くないので、ちょっと試しに開きやすく、そこから新たな知識や世界との出会いに繋がることもあって、それがまたいい。

一冊の本より軽いスマホで、本より分量の少ない一記事を選ぶ。

そのわくわくしながらめぐり歩く感覚が、noteは小さな本屋さんのようだ、と思う。

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