やさしさ送り

本格的に、新学期が始まりました。

【やさしさ送り】

高校生になった長女は、新入生のクラス代表挨拶をしてきたそうです。

そのいきさつが、やる気に満ちて…というわけではなく。

担任の先生から、誰かにお願いしたいと話があったものの、手を挙げる生徒が誰もいなかった。

「誰もやらなかったら、どうするんだろう。先生も困るだろうな」

そう思ったので、後からそっと、

「もし誰もいなかったら、私やります」と申し出て、やることになった次第なんですね。

長らく学校不適応で、行くだけで精いっぱいだった姿を見てきたので、

まさか新しい環境でそこまで動けるとは、想像もしていませんでした。

でも、そういえば、娘はこういう子だったなあ…って。

優しくて、責任感の強い子でした。

小さい頃から、私の忙しさを気遣い、下の子のお世話を頼めばきっちりとやり、間違ったことは正しく指摘する。

小学校に上がってからも、年下には優しく、友達がつらいときには自分ごとのように怒り悲しみ、先生の負担を減らそうと気を回す。

そんな娘だからこそ、頑張りすぎて、学校に行く力が尽きてしまった部分もあるのですが。

保健室登校時代に、理科のワークを見せてもらったときに、

〈問1.電気を利用しているものには何があるか〉

 テレビ

〈問2.どのように電気を利用しているか〉

 まわりを楽しくするために使う

そんな答えが書かれていて、理科としては誤答だけれども、

ああ、この子はとことん気持ちが優しいんだな…と、泣けてきたこともありました。

思春期でも、その優しさは健在です。

今となっては、娘が生きづらかったのは、本人の特性以上に、私たち親も含めた周りにいる人間が、

娘の優しさを正しく受け取って、正しく返したり送ったりすることができなかったからではないか、と思います。

たぶん、その優しさと責任感に、甘えてしまっていたから。

今は少しでも、娘からもらったものを、本人にも周りの人にも、返して送っていきたいです。

母、まだまだ成長せねばなりません!

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