図書館で、素敵な本を見つけました。
【いとエモし。(koto)】
日本の古典文学や和歌を、単なる現代語ではなく、エモーショナルに訳して、
イラストレーターさんによる美麗な絵とともに、紹介されている本です。
著者は、それまでまったくつかめなかった、古典の“をかし”が、ある瞬間、腑に落ちたそうです。
「そうか、“エモい”ってことか」と。
私は逆で、枕草子の“いとをかし”は理解できたのだけれど、“エモい”はつかみどころがないままでした。
なんとなくの感覚としては、わかる。
でも、くっきりとした言葉にはできない。
それが、この本を読んで、著者と同じように、
「なるほど、“エモい”って、“をかし”ってことなんだ」
と、すうっと心に入ってきました。
感覚的なものが、まっすぐにすとんと落ちてくる瞬間って、すごく気持ちいいんですよね!
#芸術を解する瞬間
そうして改めて、古典の“エモ訳”を読ませていただくと、これは…エモい!
特に和歌。五七五七七の中に、宇宙が凝縮されています。
さらりと詠んだ情景の向こうにある、深い心の内が、たまらなくいい!
複雑なものや難解なものを、シンプルな言葉や風景にのせて、伝える。
こんなふうに、自分が感じた世界を切り取って、描けるようになりたいです。
“をかし”は“エモい”。
平安時代や鎌倉時代の人々と、時を超えて同じことを感じられたように、
今の私たちの言葉も、何百年先の未来の人々と分かち合えるように、紡いでいけたら素敵だな、と思います。