藤原印刷さんの本に載っていた、本です。

これは絶対に、紙の本で読みたい歌集。
ケースから出すと、

外箱の窓によって、表紙のイラストがトリミングされているのです。
広がる情景。
その、どこを切り取るかで、まったく違った絵に見える。
実は、表紙だけじゃなくて、

中にも、窓があるんですよ!
イラストのみならず、言葉もトリミングされている。
ページをめくる前と後では、同じ言葉でも見え方が変わる。
本を手に入れたとき、嬉しくて娘に見せたら、
「いいね。なんだか、主観と客観みたいだね」
ですって。
わが娘ながら、いいことを言う。
トリミングされた絵が、言葉が生きるのは、
この本の、余白たっぷりの構成ならでは。
たとえば空や海のように広い世界で、
わたしの目は、なにを映しているだろう。
隣にいるあなたの目には、
なにが映っているのだろう。
わたしには、この本は、
透明な風のように見えます。
風って、色やかたちがないでしょう。
でも、肌をなでる感触はわかるし、
はためく布越しに、存在を見ることはできる。
読むひとによって、かたちが変わる。
見えない感性が、見える。
そんな本だと思いました。