毎年、春先になると、家の玄関灯にツバメが巣を作りに来ます。
土地柄カラスやトンビが多いので、巣や卵を落とされたり、そもそもうまく土がつかなかったり。
雛が無事に巣立ったことは、私の知る限り、まだありません。
私自身、ツバメは好きでも嫌いでもなく、積極的に関わることもせず、自然に任せて過ごしていました。
子育てには向いていないと思うのですが、それでも毎年、やってくるんですよね。
今年はいい感じに巣が完成しつつありました。
心優しい長女が「カラスガードしてあげようよ」と言うので、旦那さんの休日にでも頼もうと考えていた私。
ところが、ある夜。
完成間近の巣から、ツバメの尾が並んでのぞいているのを見たのです。
そっと玄関扉を開けても、動かない。
夫婦で、休んでいるんです。
夜の寝床にできるぐらい、安心して頑張って作っているのか…と思ったら、何だか、
可愛いな、助けてあげたいな。
自分でもびっくりするぐらい、むくむくと愛情がわき上がってくるのを感じました。
さっそく、巣を守る方法を調べてみます。
時期的にはもう少し待った方がいいようでしたが、カラスの視線も感じていたので、取り急ぎネットを張ることにしました。
突貫工事で試行錯誤なため、見た目はひどい(笑)。
ツバメが警戒して巣を放棄しませんように…と祈りながら、1日を過ごしたその夜。
再び、並ぶ尾羽を見ることができました。
翌日からも、せっせと巣を整えている様子です。
今年は、雛が育つといいな。
毎朝、姿を見るのが楽しみになり、フンの掃除も苦ではなくなったのが不思議です。
ツバメから、思いがけない日々の豊かさをもらった私なのでした。