好きなことリスト、20番目。
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大好きだった、おばあちゃん
自分で覚えている限り、私はおばあちゃん子でした。
いつもにこにこ笑っていて、孫たちを可愛がってくれた、母方の祖母になついていて。
泊まりに行っては、一緒にふとんに入り、「昔々あるところに…」と、寝物語をしてもらうのが、大好きでした。
大人になってみれば、祖母にもそれはそれはたくさんの苦労があったことや、激動の人生を歩んできたことがわかります。
そうして私が知る祖母になった、それまでに生きてきた道を、今こそ聞いてみたいけれど。
亡くなった祖母とは、もう話せません。
ただ、穏やかな微笑みと、折々にかけてくれた言葉とが、私の中に残っているだけ。
そんなおばあちゃんの思い出があるからか、お年寄りの話を聞くのは、基本的に好きです。
病院にて
長女の通院に付き添ったときのこと。
「お嬢さん、何年生なの?」
待合室で、長女に声をかけてくれたおばあさんがいました。
穏やかな笑顔で、「可愛らしいわねえ、いいねえ。うちは息子ばっかりだったから」と、柔らかい声で話す方でした。
私の出身と、その方が若い頃に住んでいた場所が同じだったこともあり、親近感が話しやすくさせたのかもしれません。
進学できる時代ではなかったので、若くして手に職をつけ、働きに出たこと。
休日にぶらぶら歩いた、町並みのこと。
病気の治療のために入院したこと。
「今はねえ、採血してもらって、お薬が合うかどうか診てもらっているの」
流れるように話す合間に、「本当に可愛いわねえ、楽しみねえ」と、目を細めて娘を見つめる表情は、まるで本当のおばあちゃんのようでした。
短い間の雑談でしたが、すごく心地よかったです。
お別れしてから、長女がぽつりと、「おばあちゃんの昔の話を聞くのって、けっこうおもしろいんだね」とつぶやきました。
娘の身近にいる80代90代は、良くも悪くもパワフルで、我の強いタイプが多いので、新鮮だったようですね(笑)。
私も、穏やかに話してもらう方が、落ち着きます。
楽しいひとときを、ありがとうございました。