旦那さまの物言いが、ときどき苦手だ。
「ひょろひょろの細っそい新人やったから、
肉体労働、大丈夫なんか? って聞いてしまったわ」
悪意はないけど、ストレートに感じたままを口に出す。
ちょっと、その言い方は。その表現は。
人によっては、不快に刺さる棘になるんじゃないだろうか。
と、思うことがある。
でも、
「そしたら、筋トレが趣味で、めちゃくちゃ鍛えてる人やった。
人を外見で判断したらあかんなーって、改めて思ったわ」
外見だけで判断した自分の誤りを、素直に認めて、口に出す。
そういうストレートさが、好きなんだ。
理詰めの正論を、流れるように口から出せるから、
もし言い合いになったら、どうにもならないんだけど。
その俯瞰の視点で、行き詰まった私を助けてくれるところが、好きなんだ。
旦那さまにとっては笑える冗談で、私にとっては下世話な言葉。
なんていう受けとりの差異があるんだけれど、
私が本気で嫌がることは言わないように、
気をつけてくれるのが、好きなんだ。
むしろ私のほうが、柔らかい表現を盾にして、
無自覚にきついことを言っているかもしれない。
本質は似ているようで、表に出すものは違う、私たち。
旦那さまが何を考えているのか、よくわからないこともある。
だけど、聞いたら答えてくれるし、
そこにある家族への愛情が揺るぎないことだけは、わかるんだ。
なんだかんだと、仲良し夫婦。
