最近、小説を開く頻度が減りました。
読みたくなくなった、のではなく、じっくり読みたいがゆえに。
家事も育児も介護もない空き時間は、確かにあるんです。
問題は、それが細切れのすきま時間だということ。
“今ふっと手が空いたけれど、次にいつ呼ばれるかわからない”状況で、うまく集中することができなくて、ひとまず座ってお茶を飲みながら、Facebookやnoteの記事を読む。
本を開く活字は、漫画やエッセイがほとんどです。
途中で切り上げやすく、再び続きに入りやすいもの。
パソコンでいうと、ちょっとスリープしておいて、またすぐ点けられるような感じです。
小説は、一度世界に入ったら、出入りの切り替えに使う力が、パソコンをシャットダウンして再起動するぐらいなので、エネルギーがないとできなくなってしまうのです。
だからこそ、しっかり時間と場所を確保して読みたい。
昔は、学校の短い休み時間にも、通勤でバスを待つ合間にも、平気で小説に没頭していたのだけれど…。
やはり、勉強や仕事など、自分で調整できて見通しの立つすきま時間は、使いやすいんですね。
育児と介護は、相手のあることなので、どうにもできない“予想外”にあふれていて、すきま時間の使い勝手が悪くなりがちです。
でも、今日は、無理やり再起動スイッチを入れてみることにしました。
自分のために動く時間を、大好きな本をめくるときの満ち足りた気持ちを、どうしても取り戻したかったんです。
再起動のスイッチも、使わなければどんどん錆びつくだけなので!
心に余裕がないときほど、小説の力を借りたいです。