天と地の方程式(富安陽子)

長女のおすすめ本です。

子ども時代は、図書室にある本を、年齢に応じてひとしきり楽しみました。

そして、「誰も知らない小さな国」シリーズや「空色勾玉」シリーズに出会って。

児童文学に、こんなにおもしろくて深い物語があるんだ! と。

それはそれは、大きな衝撃を受けました。

以来、児童文学のファンタジーには、なかなか満足できなくなってしまっていたのですが。

久しぶりに、心底おもしろかったです!

アレイやQや、登場人物も魅力的だし、世界観にも引き込まれます。

先が気になって、ついつい読み進めてしまう。

本を閉じても、なかなか現実世界に帰れない。

それどころか、ふり向いたら、異世界が広がっていそうな気さえします。

小野不由美さんに近い、圧倒的な吸引力で。

けれど、そのときのような、物語の内と外の境界線はありませんでした。

現代の話だから、身近に感じられるのもあるのかな。

読み終えた今でも、ここではない世界の存在が、自然に息づいています。

これは、子どもの頃、いつもそばにあった読書の楽しさだ。

懐かしい気持ちを思い出させてくれた本との出会いを、とても嬉しく思います。

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