ついにテレビ放映でしたね!
録画しておいたのを、子どもたちと一緒に観ました。
辻村深月さんのストーリーということで、私と長女の期待は大です。
4歳の次男は途中で飽きてしまったものの、さすがファミリーアニメ、みんなでわいわい観ることができました。
「ドラえもん のび太の宝島」のようなスピード感はないのですが、深みを感じるお話でした。
「宝島」が箱根駅伝だとしたら、「月面探査記」は将棋の対局のようなイメージです。
「友達ってさ、」と話すのび太くんからは、彼の優しさがにじみ出ていましたし。
映画の定番であるジャイアンの男気も、しっかり発揮されていました。
けれど今回、個人的にいちばん胸に迫ったのは、実はスネ夫だったりします。
スネ夫はいつも、みんなが冒険に出かけ困難に立ち向かおうとする中、ひとり恐怖やためらいを表す、人間くさいキャラクターで。
ジャイアンに押し切られたり、退路がなく肚をくくったり、いろんなパターンを見た覚えがあるのですが。
今作も例外ではなく、月への決戦を前に俊巡します。
いつもだったら「早く行けー」と感じてしまうところ。
なのに今回は、迷い悩んだ結果、自ら覚悟を決めたスネ夫が、やけに格好よく見えたのです。
時間になっても来ないスネ夫。
「仕方ない」と出発を促すドラえもんに、「もう少し待ってくれよ」とジャイアン。
そこへようやく現れたスネ夫は一言、
「前髪が決まらなくて…」
遅れてごめん、とは言えない照れ隠しのように笑います。
その彼を迎え入れる、仲間たちの嬉しそうな表情が、また素敵。
観ている私も、スネ夫の弱さを嫌悪感なく受け入れることができて、月に向かう決断をしたことに感動すら覚えるのです。
辻村深月ワールド、しっかり楽しませてもらいました!