こうして文章を綴るとき、私は言葉を生み出してはいません。
もともと世界に「ある」言葉を、拾っています。
【「ある」を描く】
言葉って、世界中に、そっと落ちているイメージ。
言葉にならないかけらのようなものが、空気中の粒子みたいに、あちこちに漂っていて。
ふいに言葉の形をとったものが、
私の目に、耳に、心に、体に、感じとれる存在になって、
ほんの一瞬、飛びこんで、去っていく。
私は、その残滓を追うように、言葉を見つけて、拾っていく。
拾い上げて、大事に並べていく。
そんな感覚です。
決して、大仰な芸術ではなく。
ささやかな、営み。
子どもが、海辺で拾った貝殻や、公園で集めたどんぐりを、
ころり、ころり、と、ひとり静かに並べてみているぐらいの。
――なのだけど、たぶん、この文章を綴る感覚は、独特なのだろう。
世界中にゼロとは言わないが、少なくとも大多数ではない。
ということに、最近気がついてきた私です。
ただ、私にとっては、それが文章だったというだけで。
好きなこと、息をするようにできていること、
いわゆる“つよみ”と言われるものは、わりとみんな、似たような感覚なのじゃないかな。
と、思っています。
#見つけたから拾ってみた
#拾ったから並べてみた
#そんなささやかなもの
どうやって並べたら、美しいかな?って考えるのが、楽しくて。
今日も、見つけた言葉たちを、つらつらと書いております。