いちばん前に出てみる

フィットネスクラブの、スタジオレッスンでのこと。

やっぱり、仲の良い常連さんたちに遠慮してしまい、後ろか端の方で、毎回受講していたのですが。

とあるレッスン終わりの時間に、先生から「慣れるまでは見やすいところに来てくださいね! ぜひ前に!」と、個人的に声をかけていただき、勇気をもらい…

いちばん前で、レッスンを受けてみました!

いちばん前の中央に立ったまま、どきどきして始まりを待ちます。

学生時代の、人前に立つ緊張とは違う。

注目を浴びたくないとか、できなくて目立つのが嫌だとかではなく、「ここにいてもいいんだろうか」という心もとなさが、じわじわと体を這い上がってきます。

クラス替えのとき、私は初めてなのに、周りは仲良しグループができていて、この教室が自分の居場所なのだろうかと不安になるような。

こちらに○人グループと、あちらに仲の良さそうな人が○人いる。うまくスタジオ内に収まるかな。

ここの位置だと、後ろの人が見えにくいかな。やっぱり場所を譲った方がいいかな。

――そこまで気にしなくてもいいようなこと、周りも気にしていないとわかっていることが、それでも気になるので、落ち着きません。

でも、レッスンが始まってしまえば、もう大丈夫。

いちばん前で、先生のやり方をしっかり見ながら、気持ちよく運動できました。

集団の端っこにいる私でも、前に立ってもいい。真ん中にいてもいい。

それが、実感として体にずうんと染み込んで、涙が出そうになりました。

平気な人にとっては、ささいなこと。

けれど私にとっては、大きな一歩。

自分で勝手に思い込んでいた物事が、またひとつ、頭の知識から行動の知恵へと進化した気がします!

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