本を読んだり、本屋さんや図書館の書棚を徘徊したりするのが好きです。
たぶん、平均的な人と比べたら、読書が好きです。
でも、誰かに「趣味は読書です」と言うことは、大人になってからは、ほとんどありませんでした。
学生時代は、読書が好きな人も身近にいて、「本は読んでいるもの」という共通の土台で、話ができたのですが。
大人になると、そもそも本は読まないという人が、周りにはあたり前のようにいて。
土台がまったくない中で、「読書が好きで…」と話すと、たいてい「何が好き?」「どれがおもしろかった?」と聞き返してくれます。
そのときに、好きな本のおもしろさをうまく伝えることも、読書好きらしく深い感想を述べることもできず、会話に詰まってしまうんです。
かろうじて「最近は○○を読みました」と返しても、当然ながら相手は知らないし、さほど興味も惹かれないので、「ふうん」で終わります(笑)。
私の会話力不足は明らかなのだけれど、そんなやりとりが何とも心地悪いので、あまり「本が好き」とは言わずにいました。
ですが!
友達に借りた本を読むのが楽しくて、「おもしろかった!」と素直に伝えたときに、ものすごく幸せだったんです。
ひとつには、ちゃんと共通の土台があるので、何の説明もいらず、ただ「おもしろい」と言えて、会話が成り立ったから。
そして、自分で選んだ本ではないので、どんな物語なのかドキドキワクワクがいっぱいで、初めて本の楽しさを知った子ども時代のような気持ちになれたから。
同じ本を読んで「おもしろかったね」「そうだね」と話せる存在の、なんて貴重なことだろう。
私はやっぱり、読書が好きです。
気負わずに、もっと「おもしろいんだよ!」って、誰にでも話してみればいいのかもしれないな。