50歳からはじまる、あたらしい暮らし(広瀬裕子)

最近は、50歳を超えた女性の生き方や暮らしぶりに、興味があります。

ひらがなが多めの、やわらかな文章で綴られた「50歳」のさまざまな思いや場面は、風通しのよい味わいです。

本書の中でも、「かろやか」という表現が何度か出てきますが、まさに。

1冊を通して、羽根が舞うようなイメージがあります。

心に留まった項目をざっと挙げても、

  • 笑顔でいられるほうをえらぶ
  • なるべく、きれい
  • からだを調える。食べる、歩く、ねむる、呼吸、信頼
  • 生きることは食べること。「情報」より「からだ」の感覚。「からだに良くない」「食べてしまった」「これがいい」ではなくて、おいしくいただくことを大切に
  • からだに合わせて少食の日をつくる
  • 気持ちいいを探す
  • 声をだすとき自分が心地いいと感じるトーンで話そう
  • 草原を歩くように歩く

…など、どれもふんわりと流れる日常を感じられるものばかり。

「身軽に」「自由に」「かろやかに」「シンプルに」。

言葉は違えど、私がこれからの人生に求めているのは、そんな心地よさ。

だからこそ、そのように生きている先輩方に、心惹かれるのでしょう。

50歳になり、「考えるけれど悩まない」ようになったことを、「繊細でなくなった」のではなく「かろやかになった」という言葉を選ぶ著者が、素敵だなと思います。

タニアさんの本を読んだときにも思ったけれど、「その人自身の50歳を綴ったものが1冊の本になる」生き方って、憧れます。

これからの10年、私はどんなふうに生きようか。

目の前の日々ばかりではなく、残りの将来を考えるようにもなりました。

10代の頃とは少し違った感覚で、今また未来を夢見られるのが、何より幸せなことですね。

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