次男のYouTube履歴から、ネット上には、本当にいろんなものが残っているんだなあ、と知って。
中学生の頃に好きだったものを、あれこれ検索してみました。
その頃は、「幽遊白書」から入った緒方恵美さんファンで、アニメ大好きだったのですが。
当時、私の周りでは、いわゆる「オタク」というのが、悪い意味で使われることが多くて。
クラスの女の子が、SMAPだKinKi Kidsだと盛り上がっている中、地味に違う路線を走っていました。
漫画は好きだよ、と言う子はいたものの、作品や声優さんへの情熱を語ると引かれそうだし、まして自分でも何やら書いているなんて、とても口には出せませんでしたね。
今でもよく覚えているのですが、通学電車でたまたま一緒になったクラスメートに、
「ねえねえ、SMAPの中で誰が好き?」
と聞かれて。
私は「すまっぷって何ぞや?」のレベルだったので、「詳しくないからわからない…」と答えました。
そのときの、「知らないの!?」という、異質なものを見るような目は、何とも言えず、つらかったなあ。
この頃からもう、好きなものを「好き」だとはっきり言えない自分が、いたんですね。
好きなものを「好き」だと言う
高校で親友に出会って初めて、そういう全部を「こんなの好きだって言ったら、どう思われるかな…」という一切の心配なしに、話せるようになったわけですが。
今でも、あまり親しくない相手に、好きなものを「これが好き」と言うのは、勇気がいります。
「好き」だと言って、それを受け入れてもらえる嬉しさも、否定される辛さも、だからといって私の好きなものの価値が変わるわけではないことも、すべて知ってもなお。
――それでも、好きなものは、好きなんですね。
YouTubeで、緒方恵美さんや幽遊白書や、魔法騎士レイアース、セーラームーン…
あの頃好きで、夢中になったものを聴くたびに、何て幸せに満たされることか!
CDが買えなくて、カセットテープに落として、くり返し聴いた歌。
イヤホンすら持っていませんでしたが、もっとそばで聴きたいと、デッキのスピーカーを抱きしめて聴いた歌。
今は、スマホを耳に当てるだけで、鮮やかに聴こえてきます。
わくわくする気持ちが身体中から溢れ出しそうで、もう胸がいっぱいで。
枕を抱いて、部屋中を転げ回りたいような。
好きな人のことを考えすぎた夜みたいになりました(笑)。
好きなものを、心から好きなままで生きていけば、こんなに幸せな気持ちになれるのだと。
思い出させてくれた動画の数々と、そのきっかけをくれた次男に、ありがとう。