「エッセイ」一覧

病院を訪れたら、赤ちゃんの泣き声が響いていた。 久しぶりに耳に響く、若い泣き声。 わが子の誕生を思い出す。 私が切迫早産...

その日、私の思いと、息子の思いとが、どうしても合わなかった。 どちらも譲れないまま、折衷案も見つからないまま、私は息子を学校へ送った...

私は虫が苦手である。 ちょっとした恐怖症レベルの虫嫌いであるのだが、何の因果か、田舎の古い家に住んでいる。 そのため、虫との遭...

お風呂場で髪を洗いながら、ふと思ったのだ。 頭皮と顔の境界線はどこなのだろう、と。 暑さが日に日に増してきて、汗をかくので、頭...

ええ、では僭越ながら、私めのお話を、少しばかり。 そうなのです。 「お金に困りたくない」と思ったときは、お金を使うようにしてお...

私は「病院にかかるほどではない人生の不具合」を、いくつか持っている。 恐怖症や軽いパニック障害のような状態、潔癖症ぎみなところ、小さ...

ぱちぱちぱち…と、雨が落ちてくる。 川沿いに立つと、雨粒が水面を叩いているのが見えた。 無数の波紋で、川が波打つ。 流れ...

しっとりと、朝から雨が降り続いていた。 湿気が多い日は、どうにも感覚が鈍る。 日常のかけらを拾い上げるときの五感が、目の粗いザ...

久しぶりに熱を出した。 飲めず食べられずで、体じゅうに溜め込んでいた、良いものも悪いものも、すべてが溶け出してゆく感覚の一日。 ...

子どもと楽しく遊ぶために、いちばん大事だと思っているのが、 “同じテンションで遊ぶこと”である。 「子どもにつき合おう」とか「...